港区の不動産買取業者が教える 共有持分とは?(その3)
2022/04/22
共有持分所有者にかかってくる費用について
不動産は所有していると、たとえ住んでいなかったとしてもあらゆる費用がかかります。
そこで、共有持分所有者にかかる「必要経費」と「不当利得」について説明します。
必要経費とは
必要費とは、不動産の保存・管理・維持のために必要となる費用のことです。
不動産を所有する人は、必ずと言っていいほど負担しなければいけません。
どのようなものがあるか説明します。
–固定資産税
固定資産を所有している人にかかる市町村税です。不動産の「評価額」に対して税率を掛けて算出され、4月~6月の間に自治体から税額が通知されます。固定資産税の税率は土地・建物ともに1.4%が基本ですが、市町村によってはそれ以上の税率に定められている場合もあります。
また、不動産の所在地が市街化区域に指定されている場合、「都市計画税」が追加で課税されることもあります。都市計画税の税率は自治体によって異なります。
–修繕費
老朽化や災害によって建物などが損壊した場合などにかかる費用です。
–管理費
不動産がマンションであれば、管理会社へ支払う費用も必要となります。「管理会社への債務は不可分債務」とされており、共有者が複数いる状態でも分割して請求されるのではなく、共有者全員が債務者に対して全額を支払う義務を負っています。
土地を借りてその上の建物を共有して所有している場合、その土地の「賃料」も「不可分債務」となります。
不当利得とは
不動産に関する経費すべてが「必要経費」ではないのですが、不動産に関する費用で必要費に当たらないものを「不当利得」として他の共有持分権者に請求することができます。
この場合の不当利得とは、主に下記のことを指します。
–水道費・光熱費
共有建物で水道やガス・電気を使用している場合にかかってくる費用です。
–有益費
不動産価値を増やすためにかかる費用のことです。例えば、ウォシュレットトイレに変更したり、より機能性の高い窓に取り替えたりした場合の費用は有益費にあたります。
次回はそれらの費用の支払い方法について解説します。