港区の不動産買取業者が教える 共有名義の固定資産税は誰が払うべき?
2022/05/07
不動産を所有すると、たとえ住んでいなかったとしても「固定資産税」を支払わなければいけません。また、所有地によっては「都市計画税」が課税されることもあります。
今回は、共有名義の不動産にかかる固定資産税や都市計画税の支払い方についてご紹介します。
また支払いたくない場合の対処法もお伝えするので、ぜひ参考にして下さい。
固定資産税と都市計画税とは?
まずは固定資産税と都市計画税について説明します。
・固定資産税とは
土地や家屋・建物・設備などの固定資産を所有している人にかかる市町村税で、毎年1月1日に所有している人に納付義務があります。税額は不動産の「評価額」に対して基本的に土地・建物ともに1.4%の税率を掛けて算出されます。
市町村によっては1.4%以上の税率に定められている場合もあるため確認しましょう。
–土地の評価額について
「土地」とは、田畑や山林なども含まれ、用途によって地目と呼ばれる区分があります。地目が宅地の場合は、「路線価方式」などを元にして評価額が決められます。固定資産税路線価は各自治体のホームページなどで確認することが可能です。
–家屋の評価額について
固定資産税における「家屋」とは、新築住宅や中古住宅などの住家や、店舗・倉庫など土地に定着した構造物のことを指します。家屋の評価額は、「同じ建物を同じ土地に建てた場合にいくらになるか」を算出した後、経年劣化分を減価することで決められます。
・都市計画税とは
所有する不動産が、都市計画法による市街化区域に位置する場合に必要となる税金です。道路や公園・下水道整備など土地区画整理事業に必要な費用にあてることを目的としており、固定資産税と一緒に課税されます。
税額は、固定資産税評価額に0.3%を掛けて算出する自治体が多いです。
・固定資産税や都市計画税は「必要費」
不動産を維持するために欠かせない費用を「必要費」と言いますが、固定資産税や都市計画税はこれにあたります。所有し続けるためには必ずかかる費用だと言えるでしょう。
共有名義の固定資産税・都市計画税の支払い方
単有の場合であれば、納付書が送られてきた人が支払う、という流れが一般的ですが、複数人で共有している不動産の場合はどうなるのでしょうか?
共有不動産の固定資産税や都市計画税の支払い方についてご紹介します。
・共有持分に応じて負担する
共有名義の不動産にかかる支払いは、それぞれの共有者が、共有持分に応じて費用を負担する必要があります。
民法253条にて「各共有者は、公平の観点から、その持分に応じ、管理費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う」と定められている通りです。
例えば、A・Bの2人で不動産を共有しており、Aの共有持分が3分の2・Bの共有持分が3分の1だった場合、30万円の固定資産税納付書が届いたとしたら、Aは20万円・Bは10万円を支払う必要があるということです。
・連帯納付義務がある
固定資産税は、共有持分権者全員が全額の支払い義務を負っています。
法律でも「連帯債務」であることが明記されており、持分割合とは関係なく支払う必要があるのです。
共有者の中の誰か一人が全額支払えば租税債務は消滅します。
・全額支払った代表者から他の共有者へ求償
上述したように、各共有者は共有持分に応じて費用を負担する必要があります。
そのため、固定資産税や都市計画税を支払った「代表者」から、他の共有者へ持分に応じた金額を求償することが可能です。
・代表者一人に納付書が送られてくる
固定資産税や都市計画税の納付書は、共有者に分割して送られてくるわけではなく、代表者一人に送付されます。自治体は登記されている中から誰に請求してもよいことになっています。
そのため、納付書が送られてきた代表者が全額支払い、その後共有持分に応じて他の共有者に請求する、という流れが一般的です。
それでは、納付書が送られてくる「代表者」は、どのようにして決まるのでしょうか?
次回は納付書が送られる代表者の選ばれ方と変更方法を解説します。