港区の不動産買取業者が教える 共有名義の固定資産税納税通知書は誰に届く?
2022/05/09
納付書が送られる代表者の選ばれ方と変更方法
基本的に、固定資産税や都市計画税の納付書は、共有名義の不動産であっても代表者一人に送られてきます。
しかし自治体によっては他の共有者にも金額を知らせることを目的として通知書が送られることもあります。
また特例で分割納付を認めるケースもありますが、ごく稀だと言えるでしょう。
それでは、納付書が送られる「代表者」の選ばれ方と変更方法をご紹介します。
・代表者として選ばれる一例
自治体が代表者を選ぶ場合は、下記を参考にするケースが多いです。
・共有持分が一番多い人
・不動産がある場所に住んでいる人
・登記簿に記載している順番が早い人
自治体は「いかに未回収を防ぐか」を基準に判断するため、実際に住んでいる人や共有持分が多い人に納付書を送ることが多いようです。
しかし上述したように、固定資産税は「連帯債務」であるため、納付書が送られていない共有持分権者にも支払い義務はあります。
・代表者を自分たちで決めることも可能
共有者全員で話し合い、代表者を決めて自治体に申し出ることも可能です。
「共有資産代表者選定届(自治体により名前は異なる)」を、不動産が所在している自治体の役所に提出しましょう。届け出の締め切りがいつなのかは各自治体にお問い合わせください。
・代表者を変更する方法
いったん代表者を決めたものの、あらゆる理由により変更したい場合もあるでしょう。
そのようなときは「代表者変更届」を提出することで変えることができます。
・税額を確認する方法
原則として、代表者のみ納付書が届くとお伝えしました。
しかし、代表者以外の共有者が税額を知りたい場合もあると思います。
そのようなときは、不動産が所在している自治体の役所で「固定資産税評価証明書」を取得する、という方法があります。
取得する際には、身分証明書や相続などによるものであれば戸籍なども必要になってくるため、事前に確認しましょう。
■固定資産税や都市計画税の支払い時期と方法
固定資産税や都市計画税はいつまでに、どのようにして支払えばいいのでしょうか?
支払い忘れてしまうと「滞納」となってしまうため、注意が必要です。
・支払い時期
固定資産税や都市計画税の納付書は、4月~6月くらいに送られてくることが一般的です。自治体によって納付期限はさまざまですが、基本的には年4回となっています。
また、一括払いを選択することも可能ですが割引はありません。
手持ち資金に余裕が持てることから分割払いにメリットはありますが、納付期限を忘れやすいため気をつけましょう。
・支払い方法
自治体によって異なりますが、固定資産税や都市計画税の支払い方法は下記のケースが多くなっています。
–現金で支払う
納付書を、コンビニや銀行・郵便局などの金融機関、または市区町村の窓口に持っていき現金で支払う方法です。領収書と受領書を受け取ることができるため、支払ったことを振り返ることが可能となります。
–クレジットカードで支払う
自治体によっては未対応のところもありますが、クレジットカード支払いはWEB専用サイトで支払う方法とYahoo公金支払いで支払う2つの方法があります。ポイントが貯まるというメリットがある反面、手数料を取られるというデメリットがあります。
–口座振替で支払う
銀行や郵便局などの口座から、自動的に支払ってくれる方法です。
1度設定しておけば、毎年口座振替処理をしてくれます。面倒な支払いに手間を取ることもなく払い忘れを防ぐことができるため、便利な方法です。
しかし、口座のお金が足りず引き落としができなかった際には後日納付書が送られてきて、口座振替以外の方法で納付する必要があります。
–ペイジーで支払う
送られてきた納付書にペイジーマークが付いている場合は、インターネットバンキング(モバイルバンキング含む)やATMで納付が可能です。手数料はかかりませんが、領収書は発行されません。
・年の途中で所有者が変わった場合の支払い方
1月1日に登記されている人に納税義務があるため、その年の途中で所有者が変わっても1年分の固定資産税や都市計画税を支払わなければいけません。そのため、売主は取得日から年末までの固定資産税・都市計画税を算出し、買主に請求する必要があります。
滞納した場合どうなるのか?
共有名義の不動産の固定資産税や都市計画税を滞納した場合、どうなるのでしょうか?
・延滞税がかかる
一括払いの場合でも年4回払いの場合でも、期限が設けられていますが、その日を過ぎても納税しない場合、延滞税がかかってしまいます。延滞金の税率は、納付期限の翌日から1ヶ月を超えると割合が大きく変わるため注意が必要です。
・督促状が届く
固定資産税や都市計画税を滞納すると、督促状が届きます。
地方税法第329条で「納期限から20日以内に督促状を発しなければならない」とされている通りです。督促状が届いた段階ですぐに支払いをしましょう。自分が支払えない場合は、他の共有者に相談するといいでしょう。納税が遅くなるほど延滞税がかさんでしまいます。
・督促状が届いてもさらに滞納する場合は差し押さえに
督促状が届いても納税をしない場合、財産を差し押さえられることになります。
地方税法では「督促状を発して10日以内」と定められていますが、実際にはすぐに差し押さえられることは少なく、何度か連絡が来るようです。
差し押さえは、建物や土地・預金、または給与が差し押さえられることがあり、給与の場合は勤務先に連絡が入るため、滞納の事実が露呈されてしまいます。
・他の共有者も差し押さえ対象に
共有名義の不動産の場合、滞納すると代表者だけではなく、他の共有者の財産も差し押さえられてしまいます。上述したように「連帯債務」であり、代表者以外の共有者も全額支払う義務があるからです。
・猶予や減額・免除などが認められる場合
やむをえない事情があり納付できない場合、条件を満たすことで1年の猶予や減額・免除などが認められるケースがあります。一例をご紹介します。
-震災や火災などの災害を受けた場合
-本人または生計を共にする親族が病気または負傷した場合
-営んでいる事業が廃止または休止した場合
など
上記以外でも、固定資産税などの減免を受けられる場合があるため、支払えない際には滞納せず相談してみるといいでしょう。