港区の不動産買取業者が教える 袋地の不動産が再建築できない理由
2022/05/27
袋地の不動産が再建築できない理由
袋地の不動産は接道義務を果たしていないため、再建築不可物件となってしまいます。
接道義務とは、建築基準法第43条の規定により、「建築物の敷地が4m以上の幅員を持つ道路に2m以上接しなければならない」とする義務のことです。
この義務を果たさない敷地は再建築することができません。袋地は道路にまったく接していないため建て替えができない、ということです。
旗竿地も再建築不可となるケースがある
袋地と似た形の敷地で、「旗竿地(はたざおち)」というものがあります。
旗竿地とは、道路に接する間口が狭く、細長く延びる敷地の先に住居があり、周りを他人の土地に囲まれている袋地のような形状の土地のことです。土地の形が旗竿のように見えることから、「旗竿地」と呼ばれています。
接している道路が建築基準法で定められた道路であり、敷地が2m以上接しているのであれば、再建築が可能です。しかし、接している道路幅が2m未満であれば接道義務を果たしていないとし、袋地と同じ再建築不可物件となります。
袋地の不動産を再建築する方法
袋地の不動産を再建築したい場合の対処法をご紹介します。
・通路敷地分を取得する
通路として使用している敷地分を取得して接道義務をクリアすれば、再建築可能となります。しかし、囲繞地所有者が通路敷地分の売却に対して合意しなければ成立しません。また土地購入代金や登記などの諸費用もかかるため、資金が必要になるでしょう。通路敷地分を取得する際は、道路と接する面が2m以上になるよう気をつけましょう。
・隣家と等価交換をする
等価交換とは、同じ面積の土地を交換することを言います。道路に接している2m以上の敷地と、自分が所有している袋地の一部を交換することで再建築ができるでしょう。隣家の合意が必要ですが、土地購入よりも資金がかからない方法です。
・隣家の土地の一部に通行地役権を設定する
隣家の土地の幅2m以上を通行地役権設定する方法です。通行地役権とは、上述したように双方の合意で契約することができます。合意があれば無償で設定することも可能です。
・リフォームをする
再建築不可物件は、一度解体してしまうと建てることができませんが、リフォームであれば可能です。「水回りの設備だけを新しいものに交換する」や「外壁だけを修繕する」というリフォームはもちろん、柱と梁だけを残して総取り替えをする、フルリフォームまで行うことができます。
ただし、床面積が増えるリフォームは建築確認が必要になります。再建築不可物件は建築確認申請ができないため、増築はできません。
袋地の不動産を売却する方法
袋地は不動産価値が低くなるため、売却が難しいと上述しました。袋地を売却しやすくする方法をご紹介します。
・隣地の所有者に売却する
袋地は一般の人にとって価値は低くなってしまいますが、隣家の人にとっての価値は変わってきます。「敷地を広くしたい」「増築したい」と考えていれば、袋地の敷地を買い取ってくれるかもしれません。囲繞地の所有者に打診してみるといいでしょう。
・リフォームをする
袋地は再建築できないが、リフォームなら可能だと上述しました。不動産売却時も古い状態で売りに出すより、綺麗な状態で売った方が買い手がつきやすくなるでしょう。フルリフォームで住居の内装や設備を新しくすれば、新築のような状態にすることが可能です。
・専門業者に買い取ってもらう
袋地が売却できない場合、買い取り専門の不動産業者に売却することもひとつの方法です。売り値は安くなってしまうかもしれませんが、そのまま所有していると固定資産税や維持費などがかかり負担は増えていく一方です。また個人に売ることとはちがい、ビジネスライクに進むため、スムーズな売却が実現するでしょう。
囲繞地も売却しづらいケースがある
接道義務を果たしている囲繞地であれば、再建築不可にはなりません。
しかし、袋地の所有者に対して「囲繞地通行権」が認められているため、自分の土地を他人が通行する、という事実が発生します。
そのため、何の制約もない土地と比べると売却しづらく、場合によっては売却額が低くなることもあります。この場合も買い取り専門の不動産業者に相談するといいでしょう。
袋地や囲繞地のことでお困りの場合は、プロに相談を
「袋地を所有しており、再建築できなくて困っている」「袋地・囲繞地が売却できない」など、お困りの場合はプロに頼ることをおすすめします。
袋地で無理に再建築してしまうと「違法建築」となってしまい、ローンが借りられないことはもちろん、是正指導をされてしまいます。適切な方法で最適な対処をするために、独断で行う前にプロに相談するといいでしょう。