港区の不動産買取業者が教える 再建築不可のアパートを所有するリスクについて
2022/06/30
再建築不可のアパートを空き屋状態で所有することのリスク
再建築不可アパートを経営するのではなく、入居者をいれずに空き家として所有する場合もあり得ます。この場合、どのようなリスクがあるでしょうか?
・固定資産税などの維持・管理費用がかかる
不動産を所有していると、たとえ空き家であっても、1月1日現在の所有者に固定資産税、さらに地域によっては都市計画税がかかります。
また、税金以外にも修繕費や損害賠償費用などがかかる可能性があります。例えば、ブロック塀が倒壊し通行人の妨げになってしまったら、所有者が修繕しなくてはいけません。その倒れたブロック塀で誰かが怪我をしたとなれば、損害賠償責任などを負うことにもなるでしょう。
・メンテナンスの手間・コストがかかる
空き家としてアパートを放置しておくと、不審者やノラネコなどが近づき近隣の住人に迷惑をかけたり、人目につきにくいことからゴミを不法投棄されてしまったりする可能性があります。空き家だとしても定期的なチェックやメンテナンスが必要になります。
もし自分が遠方で直接確認できない場合、人を雇う必要があるので人件費もかかってしまうことがあります。
・売却しづらい
持て余してしまう再建築不可アパートを「今すぐ売りたい」と考えたとしても、一度解体したら建物を建てることができないため、なかなか買い手が見つかりにくいことがリスクとして挙げられます。
・自分の子どもや孫に影響を及ぼす可能性も
再建築不可のアパートを所有し続け、自分が死亡した場合、子どもや孫が相続することになります。年月が経つにつれてさらに売りにくくなれば、子孫にも迷惑をかけてしまうおそれがあります。
再建築不可のアパートの相続回避方法
再建築不可アパートを所有する前であれば、相続を回避することもひとつの方法です。上述したように、再建築不可アパートは経営デメリットがあったり、所有することのリスクがあったりします。ここでは、相続回避方法をご紹介します。
・遺産分割協議をする
遺言書があれば、原則として遺言書通りの遺産分割となりますが、遺言書がない場合は相続人全員で話し合いをして遺産の分け方を決定します(遺産分割協議)。
このときに再建築不可アパートの相続を回避できるよう話し合うといいでしょう。しかし、相続人全員が相続拒否をして協議が進まない場合、相続人全員の共有状態とみなされてしまいます。相続が決定しない間は、全員が固定資産税などを支払う義務や管理責任を負うことになるため、気をつけましょう。
・相続放棄をする
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産または負債などすべてを承継せず、相続人である地位を放棄することです。相続放棄をすると、最初から相続人ではなかったことになるため、再建築不可物件を相続する必要がなくなります。
しかし、相続放棄をするとプラスの遺産も相続することができなくなってしまいます。遺産は不動産や預貯金だけでなく、車や証券なども含まれるため、よく検討してから相続放棄をしましょう。また、相続放棄には期間が限定されています。「相続を知ってから3ヶ月」と定められているので、気をつけましょう。